睡眠と光には密接な関係があるといわれています。皆さんの中にも「明るいと眠れない」「暗すぎるとかえって寝心地が悪い」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。睡眠には慣れた寝具も大切ですが、部屋の明るさなどの環境も重要ですよね。
今回の記事では、より良い睡眠のためのカーテン選びについて解説します。
部屋が明るくてよく朝方に目が覚めてしまう。暖房を入れても室内が寒くて、睡眠の質が落ちている気がする。このようなお悩みを持っている方は、カーテン選びから睡眠の質改善を目指してみませんか?
カーテンの専門店が、より良い眠りのためにカーテン選びについて、ポイントを解説します。
睡眠の質を向上させたい!カーテン選びの5つのポイント
カーテンは光を遮る機能があり、室内の温度にも関係してくるアイテムです。質の良い睡眠のためには、自分に合った室内環境を作り上げることが重要です。
カーテンが自分や部屋に合っていないと、光や温度のために「寝苦しい」と感じてしまうことでしょう。そして、寝苦しいと感じてしまうからこそ、睡眠の質も低下すると考えられます。質の良い睡眠のためには、やはり室内環境の改善が重要。そのためにも、カーテンの見直しからはじめてみてはいかがでしょう。
ぐっすり眠れる環境を整えるためには、次の5つのポイントでカーテンを選んでみてください。
1.色柄で選ぶ
2.遮光等級で選ぶ
3.素材で選ぶ
4.機能で選ぶ
5.カーテンの寿命を考える
① カーテンを色柄で選ぶ
より良い睡眠のためにも、カーテンの色柄はよく選びたいものです。
一般的に赤は興奮作用があるといわれます。赤は血の色ですし、熱の色ですよね。火の色でもあります。赤もステキな色ではあるのですが、興奮作用や怒りや熱などに関連付けられる色なので、避けた方が無難です。特に寝室のカーテンは寝る前に目にするため、心や神経を興奮させる色より、気持ちをリラックスさせる効果のある色を選ぶといいでしょう。
アースカラーや緑系の色などは、心の平穏や落ち着きに繋がるといわれています。また、柔らかな桃色系も、人間の体内の色ですから、母親に包まれているような安心感が得られるといわれています。
色だけでなく、柄にも気を付けたいもの。
寝室のカーテンで人気のあるタイプは、無地のシンプルなタイプです。柄が派手過ぎると、それだけで寝室が賑やかな印象になってしまいますね。柄は無地や控えめなものを選び、寝室を静かで落ち着ける空間にすることが重要です。
② カーテンを遮光等級で選ぶ
遮光カーテンには、遮光等級があります。
遮光等級は1級や完全遮光が最も高く、3級がやや遮光がゆるやかになります。部屋を真っ暗にしたい場合は遮光等級の高いカーテンを選ぶことがポイントです。
たとえば部屋が真っ暗でなければ眠られないタイプの人の場合、遮光等級が高いカーテンを選んではいかがでしょう。室内が真っ暗になり、さらに外からの光も遮るため、眠りやすくなります。対して、室内が真っ暗すぎると眠れない人は、遮光等級を1級から落とし、2級や3級のカーテンを選べば、より眠りやすくなる可能性があります。
眠りやすさは人それぞれ。中には「部屋は明るい方がいい」という人もいます。夜間でも明りをつけて眠る人は、意外と多いのです。明るい方が眠りやすいという人は、採光タイプのカーテンなどがおすすめです。光を防ぎ過ぎず、朝になったら自然と外の柔らかな光を取り入れてくれます。
光の感じ方や部屋の立地、寝る時に安らげる環境づくりのために、カーテンの遮光等級についてよく検討した上で選ぶことが重要です。カーテン専門店に相談した上で選んでもいいですね。
③ カーテンを素材で選ぶ
睡眠の質の向上のためには、カーテン素材をよく選ぶことが重要です。
たとえば、明るいと眠れないタイプのお客様から以前にいただいたご相談があります。
カーテンの遮光等級は2級のものを使っているが、2級のわりにかなり明るい気がする。朝日が眩しくて、目覚めてしまうというご相談でした。寝顔に朝日があたってしまい、せっかく心地よく寝ているところを起こされてしまうというのです。
まだ寝ていられる時間なのに、中途半端に起こされてしまう。朝日が眩しい。そのため、寝ても疲れが取れないのでカーテンを見直したいというご相談でした。
当店でカーテンを確認したところ、遮光等級は確かに2級。朝日がさほど眩しく感じられないくらいの遮光等級が備わったタイプのカーテンでした。実はこのカーテン、問題は別のところにありました。
素材です。
このカーテンの生地には、白い天然素材が使われていました。薄手で白いからこそ、遮光等級2級でも、眩しく感じられてしまったわけです。
黒より白の方が光を感じやすいものですし、素材も厚手より薄手の方が光を感じやすいもの。同じ遮光等級でも、色や素材によって感じ方が変わってくるのです。
カーテンの素材と色を変えると、朝方の眩しさはなくなり、ゆっくり眠れるようになったという話でした。光に敏感な人は遮光等級だけでなく、色や素材もチェックしてカーテンを選ぶことが重要です。
④ カーテンの機能で選ぶ
カーテンには遮光以外にも機能があります。睡眠と光は密接な関係がありますが、その他の室内環境だって、当然ですが睡眠に関係します。夏の夜に蒸し暑いと、なかなか眠れませんよね。反対に寒いと、寝付きも悪くなってしまうことでしょう。くしゃみで目覚めるかもしれません。
質の良い睡眠をとるためには、遮光機能以外にも注目したいものです。たとえば、暑さや寒さ対策を考えるなら、遮熱機能を持つカーテンを使ってはいかがでしょう。遮熱カーテンは室内の温度を外に逃がさないようにするカーテンです。冬は暖房を室内に留め、夏は外からの熱をカットして室内を涼しく保つ手伝いをしてくれます。
カーテンをつけていれば、それだけで室内温度は大丈夫だと思うかもしれません。遮熱などの機能を持つカーテン以外の場合は、意外と冷暖房の効果が室外に漏れてしまっているのです。カーテンを替えるだけで「温かくて眠りやすくなった」「冷房の効きがよくなって、夏場に安眠しやすくなった」となることも!
カーテンの中には遮光機能と遮熱機能をあわせ持っているタイプもありますから、必要な機能がすべてそろっているカーテンを選び、より良い睡眠を目指しましょう。
⑤ カーテンの寿命を考える
眠りを妨げている意外な要因に「カーテンの劣化や寿命」があります。
カーテンにも寿命があります。汚れて洗濯を繰り返したり、日の光にさらされ続けたりすると、生地がボロボロになってしまうのです。一見して劣化していないようでも、生地に触れてみると、一部が薄くなっていることが少なくありません。
生地が劣化したり、カーテン自体が寿命を迎えたりしている場合、カーテンの機能性が発揮されない可能性があります。遮光カーテンなのに、遮光機能が思うように働かないのです。そのため、遮光等級の高いカーテンで室内を暗くして寝ていたはずなのに「最近、朝日が眩しい」となってしまうことがあります。劣化した部分から陽射しが入ってしまうこともあるのです。
カーテンにも寿命や劣化がある。だからこそ、適度にカーテンを交換することが重要です。
カーテンに触れてみて生地がボロボロであったり、薄くなってしまったりしている場合は、カーテンを交換しましょう。質の良い眠りのためには、カーテンが機能を十分発揮できる状態であることが重要ではないでしょうか。
最後に
カーテンは光や室内温度と密接な関わりがあります。睡眠もまた、室内温度や光と関係します。質の良い睡眠のためにも、室内環境を安らげるように工夫することは重要ではないでしょうか。
寝苦しい。光が眩しくて目覚めてしまう。このような場合は、カーテンから睡眠環境を見直してみてはいかがでしょう。
寝室のカーテン選びが難しい場合は、当店にご相談ください。カーテン選びのポイントやコツなどを踏まえて、専門店の視点からカーテンの提案をさせていただきます。