ラグの歴史とは?敷物のちょっと面白い豆知識

ラグ

普段何気なく使っているラグ。当店ではラグも扱っているため、よく敷物のご相談もいただきます。

何時もはカーテンやラグの実用的な知識に重点を置いてお話ししているのですが、今回は横道にそれて、「ちょっと面白い」と思えるようなラグの豆知識をお話ししたいと思います。

皆さんはラグの歴史をご存じでしょうか。それこそ昭和のバブル時代も覚えている方は、「当時はホームセンターで現在ほど敷物の種類がなかった気がする」「ラグはこんなに一般的ではなかった気がする」など、それぞれの印象を持っていることでしょう。「ラグって意外に近代のものでは」と思う方もいるかもしれないですね。

実は、ラグは非常に歴史の古いアイテムなのです。ラグをはじめとした敷物の歴史を、覚えているとちょっと面白い豆知識としてお伝えしたいと思います。

種類豊富な敷物「ラグ」はご長寿アイテムだった!

日本でよくラグ・カーペット絨毯などが使われ、一般家庭にも広く浸透したのは昭和初期以降だといわれています。

日本の家、住居がちょうど現代に近いかたちに近づいたころです。昭和といえば、戦後に集合住宅も盛んになったころではないでしょうか。マイホームやアパートなど、住居に合わせて生活用アイテムであるラグをはじめとした敷物が活躍するようになりました。

しかし、ラグをはじめとした敷物が生まれたのは、もっと前の時代です。ラグなどの敷物の歴史は遥か紀元前まで遡れるのです。

ラグをはじめとした敷物がはじめて歴史に登場したのは、紀元前2000~4000年といわれています。世界史の本に載っている古代文明のあたりの年代ですね。日常的に生活に使われているラグをはじめとした敷物類は、大昔から人間に寄り添って使われていたご長寿アイテムなのです。

「ラグを見る目が変わりそうです」と言った当店スタッフがいましたが、皆さんはどうでしょうか。当たり前のように側にあるのに、「歴史の長い道具なのだな」としみじみしてしまいませんか?

使われはじめた当初のラグ(敷物)とは?

敷物が生まれたころ、つまり紀元前のラグは現在のようなタイプではありませんでした。当時の敷物といえば、植物を編んだものや、動物の皮を使ったものだったようです。

また、これらは敷物として使われながら、壁や窓、入り口などに下げる用途にも使われていたようでした。当時は現在のような窓やドアなどがなかったからです。用途いろいろな、当時の人にとっては生活になくてはならない存在だったのでしょう。

その後、現在のイランあたりで毛足の長い絨毯タイプが編まれるようになりました。まだ紀元前の話です。イランのあたりで作られるようになった毛足の長い絨毯タイプの敷物は、シルクロードを通って他の国にも伝わりました。そして、それぞれの国で、その国の文化や生活に合った敷物に姿を変えることになります。

とはいえ、このころはまだ現代のような工場もありませんし、機械による生産だってできません。他国、あるいは自国で生産される敷物は、一般家庭で手軽に使えるような代物ではありませんでした。お金持ちや王族など、ある程度の階級を持つ人が手の込んだ美しい敷物を使っていたようです。

ただ、一般家庭も敷物を使わなかったわけではありません。植物を編んだものや獣の皮など、それぞれの家庭や生活に合わせて作ったり、用立てたりして使っていたようです。

日本にラグなどの敷物が伝わったのはいつごろ?

日本にラグなどの敷物が伝わったのは縄文時代だったといわれています。伝わったという言葉は適切ではないかもしれません。縄文時代の人々は、自分たちの生活に合わせて敷物を生み出したようでした。

縄文時代の人々は、植物を編んで絨毯のようなものを作っていたそうです。日本史の教科書などに竪穴式住居の写真などが計算されていますが、あの住居の中ですでに日本風の敷物、つまりラグなどの先祖を使っていたと想像すると、ロマンがありますよね。

その後、絨毯・カーペット・ラグのような敷物が正式に海外から伝わったのは室町時代に入ってからです。ただ、室町時代にラグの原型になる敷物自体は入ってきましたが、日本の一般家庭に定着したわけではありませんでした。その後、時代は進み、江戸時代へ。

江戸時代には絨毯・カーペット・ラグのような敷物が作られ、時代が進むと共に少しずつ家庭生活で使われはじめます。

記事のはじめの方でもお話ししましたが、やがて昭和初期に入って敷物が家庭に馴染み、戦後の高度成長期に入って集合住宅やマイホームが多くなると、すっかり一般家庭で使われるようになったというわけです。

なお、時代が進む間で住宅やカーペット、ラグなどの敷物はいろいろとデザインや素材を変えています。

現代はお店やネット通販で買えるようになったラグ

ラグは現在、ネット通販やホームセンターなどのお店でも買えるようになりました。

日本に敷物が入ってきた当初は、自分たちで敷物を作っていましたよね。時代は進み海外から正式にラグなどの敷物が入ってきても、その敷物は現代のように工場で製造したものではありませんでした。もちろん、江戸時代も現在のような製造工程でラグなどの敷物を作ることはできませんでしたよね。

日本のラグなどの敷物の歴史と素早く、かつ、大量に製造できるようになるまでは時代のタイムラグがあるということです。

江戸時代、そして室町時代のラグなどの敷物の原型が、現代はホームセンターやネット通販で購入できるまでに一般的になり、簡単に購入できるほどの製品を製造できるようになりました。こうしてラグなどの歴史を追ってみると、「そんなに昔から側にあったのか」と感慨深いものがありますね。

最後に

今回の記事では、知っているとちょっと面白い知識と題しまして、ラグの歴史についてお話ししました。当店ではラグやカーテンを扱っています。以前は、カーテンの歴史についてもお話ししました。

カーテンと同様に、ラグなどの敷物も歴史が古く、人間の生活に合わせてかたちや素材を変えてきました。そう考えると、ラグなどの敷物がより身近に感じられるのではないでしょうか。

ラグの歴史を考えながら、ぜひ当店のラグ商品もチェックしてみてくださいね。

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