夏のじめじめした暑さや台風のせいで、カーテンにカビがはえてしまうことがあります。
「カーテンにカビがはえてしまった。このカーテンはもう使えないのですか?」
「カーテンのカビはどのように落とせばいいのでしょう?」
湿度が高く、雨が続く季節になると、このようなカーテンのお手入れやカビに関する問い合わせが増えるのです。じめじめした季節や台風の多いシーズンに知っておきたい、カーテンにはえたカビの落とし方とカビ予防について解説します。
カビがはえたカーテンはもう使えないの?使えるケースと使えないケース
当店によくある質問の中に「カビのはえたカーテンはもう使えないのか。捨てるしかないのか」というものがあります。この質問についてはどうなのでしょう。
結論を言ってしまうと・・・きちんとお手入れすれば、使えます。
ただ、カビやカーテンの状態によっては、使い続けない方が良いケースもあるのです。
使い続けない方が良いケースは4つあります。
1.カーテンにカビが広範囲に広がっている
2.カーテンにカビ以外にもシミや汚れが多い
3.カーテン自体が古く布地が薄くなってしまっている
4.カーテンの見栄えに大きな影響が出ている
カーテンにカビが広範囲に広がっている
カビがはえても小規模な場合は問題ありません。しかし、カビが広範囲に広がっている場合は、そのカーテンを使い続けず交換した方が無難です。
カビが広範囲に広がっていると、自宅のお手入れでカビを落としきることは難しいと言えます。一時的にカビを落としても、またすぐにカビが広がってしまう可能性もあるのです。
カビが広範囲に広がっている場合は、衛生面も考えてカーテンの買い替えを検討してみてはいかがでしょう。
カーテンにカビ以外にもシミや汚れが多い
カーテンにカビ以外の染みや目立った汚れが点在している場合は、カーテン交換時期の1つの目安になります。汚れなどが点在していても、ごく一部の目立たない部分という場合は、お客様の判断で使い続けても問題なしです。
カーテンを交換する場合は、カーテンのどの部分に「どんな汚れが多くついているか」をチェックしておくと、今後の掃除の役に立ちます。
カビが多い部分は水気が多いということ。汚れが多い部分は、その部分に汚れが集中しやすいということです。掃除の参考にしてみてください。
カーテン自体が古く布地が薄くなってしまっている
カビのはえたカーテンの生地に注目してみてください。買った当初より、かなりカーテンの生地が薄くなっていませんか。もしカーテン生地が薄くなっていたら、買い替えを検討することをおすすめします。
カーテン生地が薄くなっているということは、カーテン自体がダメージを受けているということです。カーテン生地がダメージを受けていると、カーテンの機能をきちんと発揮できず、カビのリスクも高まります。カビを取る作業で切れてしまったり、さらにダメージを受けてしまったりすることも考えられるのです。
生地の状態をよくチェックしてみましょう。経年や汚れによる生地の薄さやダメージを感じたら、カーテンを交換するのも方法の1つです。
カーテンの見栄えに大きな影響が出ている
カーテンにカビがはえて、見栄えが気になる場合は交換を検討してみてはいかがでしょう。たとえば、カビが鮮やかな色柄のカーテンの中央に生じてしまったケース。このケースでは、カーテンの鮮やかな色柄の中にカビが暗い影を落としているわけですから、気になる人は気になってしまうはず。
普段あまり使わない部屋の場合は「カビの処置をしてもう少し使ってみよう」とも思うかもしれません。しかし、応接間やダイニングなどの場合は、やはり見栄えが気になってしまうのではないでしょうか。
カーテンにはえたカビの落とし方とは
カーテンにカビがはえたら、どのような方法で処置をしたらいいのでしょう。カーテンにはえたカビの落とし方は、「カビの程度」によって変わってきます。
1.軽度のカーテンのカビを落とす方法
2.重度のカーテンのカビを落とす方法
軽度のカーテンのカビを落とす方法
軽度のカビとは、カーテンの表面的な部分にのみはえているカビのことです。黒々と湿ったカビではなく、粉っぽいような緑色のカビなどがこのタイプです。
軽度のカビは、ほうきやハタキで軽く叩くと、ぱらぱらと落ちてきます。カーテンの下や周りに新聞紙などを敷いたり、庭に出たりして、カーテンのカビを叩き落としてください。かなり軽度のカビの場合は、この工程でカンタンに落とすことも可能です。
ただし、叩き落としただけでは、カーテンにまたカビがはえてしまう可能性が高いため、ある程度落としたら洗濯することをおすすめします。
洗濯のさいは、洗濯表示を確認。水洗いや手洗い、洗濯OKの表示があれば自宅で洗濯表示に従って洗濯が可能です。自宅の洗濯がNGの場合は、クリーニング店に持ち込んで洗濯してもらいましょう。
カーテンの洗濯については別の記事で解説しています。別記事もチェックしてみてくださいね。
重度のカーテンのカビを落とす方法
叩いただけでは落ちない、根深いカビです。深い緑や黒に近い色をしていて、一目で「酷いカビだ」とわかるようなカビです。
このようなカビがはえた場合、ほうきやハタキだけではカンタンに落ちません。基本的な落とし方としては、染み抜きならぬカビ抜きをし、しかる後に洗濯という流れです。
まずは洗濯表示をチェック。水洗いや手洗い、洗濯OKになっているか確認します。自宅で洗えないタイプのカーテンや高価なカーテン、お気に入りのカーテンなどは自分で処置せず、クリーニング店で洗ってもらってください。色落ちや縮みなどのリスクがあります。
自宅で洗濯できるカーテンの場合は「中性洗剤」「色落ちしないタオル」を用意して、タオルに洗剤をつけてカビ部分をとんとん叩くようにして洗剤を染み込ませます。
重度の中でも比較的軽度のカビは、とんとんやっている段階で色が薄くなってくるはずです。カビがとんとんで抜けなければ、歯ブラシなどの小さめのブラシで優しく擦るのも方法の1つです。
染みを抜く要領でカビをある程度抜いたら、つけ置き洗いや手洗い、洗濯機での洗いなど、洗濯表示に従って洗います。
洗濯の詳しい流れについては別記事で解説させていただきました。
家庭で処置してもカビが落ちなかったときはどうすればいいの?
家庭でカビの処置をしてもカビが落ちない場合は、やはり洗濯の専門家に洗ってもらうのが一番です。「自分でカビを落とすのが難しそう」と感じたら、家で処置する前にクリーニング店に持ち込むことをおすすめします。
カビの浸食が酷い場合は、そのカーテンを交換してしまうという方法も。
カーテンのカビ予防方法とは
カビの一番の原因になるのは湿気だと言われています。
日本では特に梅雨の時期にカビが発生することが問題になっていましたが、現在は度重なる台風や豪雨により、夏や秋、春などにもカビが生じてしまうことが珍しくない状態です。
冬は冬で結露がありますので、やはりカビが生じます。日本においては、年中を通してカビ予防の必要があるのです。
湿気を防ぐことでカビ予防になります。
特にカーテンは、家の中でも湿気と関連性の深い「窓の側」にあるのです。窓の湿気をおさえることで、カーテンにカビを生じにくくすることが可能になります。
1.窓の結露や水滴をこまめにふき取る
2.雨で窓枠やカーテンが濡れたらふき取りや乾燥を
3.除湿器などで除湿に努める
このほかに、カーテンを定期的に洗うことがカビ予防に繋がります。
カーテンの中にもカビがはえにくい防カビ加工カーテンなどもあるので、「カビが気になる」という家庭は、特に湿気の多い季節は防カビ加工カーテンを使うこともおすすめです。
最後に
カーテンのカビは自宅で取ることもできます。ただし、カビを落としたあとに洗濯などをしてキレイにしておくことも重要です。
何より重要なことは、カビを防ぐこと。湿気の防止や防カビ加工カーテンなどを利用して、嫌なカビをシャットアウトしましょう。