カーテンを洗う洗剤の知っておきたい基礎知識|選び方のポイントや洗剤ごとの特徴まで

カーテン

カーテンの衛生を考える上で欠かすことのできないものが「洗濯」です。カーテンのこまめな洗濯は家の衛生環境の保持にも繋がるため、積極的に頑張りたいですね。

ただ、カーテンの洗濯時に問題になるのが「洗剤」です。当店のカーテンは自宅の洗濯機で洗えるものが多くなっています。「カーテンが汚れたな」と感じたときに、何気なく洗濯機に入れてしまうお宅も少なくないはず。そして、洗濯機に自宅で使っている衣類用の洗剤を使っているお宅も、少なくないことでしょう。

カーテンを洗うときの洗剤について、知っておきたい基礎知識をまとめました。カーテンの専門店視点での洗剤の選び方や使い方もご紹介します。

カーテン洗濯で知っておきたい洗剤の基礎知識

ドラッグストアの洗剤の売り場を見ると、香りや成分が違ったたくさんの洗剤が並んでいます。「どれを買えばいいのかな」「具体的に、何が違うのかな」と悩んでしまうことも少なくありません。

自宅でカーテンをキレイに洗濯するためにも、洗濯洗剤の基礎知識をおさえておきましょう。

洗濯洗剤には4つの種類がある

洗濯洗剤には大まかに4つの種類があります。「おしゃれ着用洗剤」「液体洗剤」「粉末洗剤」「ジェルボール」の4つです。

自宅の家族構成や多く洗う汚れ物の種類によって、自宅にストックしてある洗剤が違っていることがあります。また、何気なく「売れ筋商品みたいだから、この洗剤でいいや」という感覚で選んでいることも少なくありません。

まずは、基本的な洗濯洗剤の分類を知っておきましょう。カーテンを洗う洗剤選びにも役立つ知識です。

おしゃれ着用洗剤

「いい物洗い用洗剤」と呼ばれることもあります。オシャレな衣類や、繊細な洗濯物を洗うときによく使われるタイプの洗剤です。

ドラッグストアなどの洗剤コーナーでも、おしゃれ着用洗剤として、まとめて陳列されていることがありますよね。パッケージはスリムなものやデザイン性の高いもの(一目見て「おしゃれ着に使えそう」とわかるようなデザイン)が多い印象です。

おしゃれ着用洗剤は中性タイプの洗剤が多く販売されています。中性は洗剤の中でも衣類に対しての負担が最も少ないといわれています。おしゃれ着洗い用の洗剤を使う洗濯物は繊細な衣類などが多いため、中性のものが多くなっているのです。

中性という性質以外にも、繊細な服にダメージを与え難い成分を使い、「洗うものを傷めないように配慮しているタイプの洗剤」「洗浄力より洗うものを傷めないようにする能力が高い洗剤」がおしゃれ着用の洗剤になります。

おしゃれ着用洗剤は香りにも気を使っているものが多いのが特徴です。

液体洗剤

液体洗剤とは、おしゃれ着用洗剤以外の普段使い用液体洗剤です。ドラッグストアなどでも一般的に販売されていますので、液体洗剤を愛用しているお宅は少なくないことでしょう。

液体洗剤は最初から液体状になっているため、洗濯の水が冷たくても温かくても、ほどよく混ざるところが特徴です。普段の洗濯は、汗や皮脂、油などがついた衣類が多いため、おしゃれ着用の洗剤よりも洗浄力はやや高くなっています。汗や皮脂を落とすためには、洗浄力が重要だからです。

液体洗剤は、弱アルカリ性または中性のものが多く販売されています。

おしゃれ着用洗剤のところでもお話ししましたが、衣類の負担を軽減して洗い上げる洗剤は中性です。弱アルカリ性の洗剤は中性の洗剤と比較して、より洗浄力が高いタイプになります。液体洗剤の中でも、中性のものより弱アルカリ性のものの方が洗浄力はやや高いといわれています。

中性の液体洗剤と弱アルカリ性の液体洗剤は、どちらも同じ液体洗剤ですし、カーテン以外の通常の洗濯では大きな差が出ることはないといわれています。ですが、衣類の傷みが気になる場合は中性の液体洗剤を選ぶようにすると安心です。

 

粉末洗剤

粉末洗剤は、粉タイプの洗濯洗剤になります。昔からよく使われていたタイプの洗濯洗剤で、液体洗剤やジェルボールよりも歴史の古いタイプの洗濯洗剤でもあります。

粉末洗剤の大きな特徴は、洗浄力が強いところです。洗濯洗剤の中でも粉末洗剤は洗浄力が特に強く、油汚れや皮脂などをしっかり落としたいときに向いています。タバコの汚れやキッチンの油汚れが服についたときなどは、洗濯洗剤の中でも粉末洗剤の出番です。一回で落ちなくても、何度か洗っているうちに「あ、落ちている」と実感することも。

粉末洗剤は弱アルカリ性のものがほとんどで、性質が洗浄力に拍車をかけています。代謝の良い男性やよく食べ物をこぼす小さなお子さんなどがいる家庭の場合は、粉末洗剤をよく使っていることが多いのではないでしょうか。

洗浄力については平均的に高くなっている粉末洗剤ですが、水と馴染み難いというデメリットもあります。液体やジェルボールはすぐに水に広がりますが、粉末洗剤はなかなか洗濯の水に溶けないこともあり、洗いあがりに洗剤がこびりついてしまい、洗い直しになることもあります。水の冷たい冬に有りがちなケースですね。

なお、粉末洗剤は液体洗剤より香りなどがおさえられた洗剤が多く、ジェルボールなどの強い香りが苦手という愛用者も多いようです。

ジェルボール

ジェルボールとは、個別にパッケージングされたタイプの洗剤です。特殊な膜で洗剤をコーティングしており、洗濯機に入れると膜から洗剤が溶け出す仕組みになっています。「アリエール」や「ボールド」などが代表的なジェルボール洗剤です。触ってみると、ぷにぷにしていて、グミみたいですよね。

液体洗剤をコーティングしているため、膜から溶け出した洗剤は液体洗剤のようにも見えます。見た目通り、ジェルボールの中身は液体洗剤に性質がよく似ています。ただ、ジェルボールの方には液体洗剤には含まれていない成分が使われていることがあります。

液体洗剤に含まれておらず、ジェルボールに含まれている成分、それは金属封鎖剤(キレート剤)という成分です。

金属封鎖剤(キレート剤)は水中の金属イオンをカットして、洗濯の泡立ちをよくする成分なのだそうです。今までの洗剤には入れることができなかった成分なのだとか。ジェルボール全体としては液体洗剤に似ていますが、ちょっと違う新成分も入っているということですね。

洗剤の性質としては、中性です。この点については、液体洗剤とほぼ同じです。ただ、液体洗剤と比較してやや泡立ちや泡切れがよく、香りの持続性が高いという特徴があります。

商品によっては、液体洗剤よりジェルボールの方が、より洗浄力が高いことも。

カーテン洗濯洗剤の選び方や使い方のポイント

洗剤の基礎知識をおさえたところで、次はカーテンに使う洗剤選びや使い方のポイントです。自宅でカーテンを洗濯するときは、どのような洗剤を使ったらいいのでしょう。そして、カーテンを洗濯するときの洗剤の使い方にはどのようなポイントがあるのでしょうか。

・洗濯洗剤ごとの洗浄力を知っておく

・洗濯洗剤に含まれる「蛍光剤」に要注意

・カーテンを洗うときは中性の洗剤を使用する

・洗濯洗剤の香りには注意が必要

・粉末洗剤を使うときはワンポイント

洗濯洗剤ごとの洗浄力!汚れが落ちやすい洗剤の種類は?

おしゃれ着用洗剤、液体洗剤、粉末洗剤、ジェルボールの中では、どの洗剤が一番「洗浄力」が高いのでしょうか。

4種類の洗剤の中で最も洗浄力の高い洗剤は、粉末洗剤です。洗濯用の粉末洗剤は、洗濯洗剤の中でも洗浄力に重点を置いた洗剤が多いという特徴があります。

粉末洗剤の次に洗浄力が高いのは、液体洗剤とジェルボールです。ジェルボールは1個ずつパッケージになっていますが、入れたときに溶けて液体として広がります。液体洗剤とほぼ同じと考えて差し支えありません。

液体洗剤とジェルボールの次におしゃれ着用洗剤が来ます。おしゃれ着用洗剤は洗浄力より衣類を傷めないことに特化した洗剤なので、納得の結果ですね。ただし、おしゃれ着用洗剤の洗浄力がないといっているわけではありません。

なお、洗濯洗剤の洗浄力は基本的に粉末洗剤、液体洗剤とジェルボール、おしゃれ着用洗剤の順ですが、洗剤の含まれている成分によって変わってくることがあります。基本的な洗浄力の順は以上の通りですが、個別の商品によっては洗浄力の高いものや、洗浄力より別のところに重点を置いている商品などもあるわけですね。

洗剤の商品の説明欄などに、その商品の特徴(売り)が記載されていることも少なくありません。何となく「売れ筋みたいだから」で選ばず、商品の説明欄の特徴を見て「似たようなタイプだけど、より洗浄力が高そうなのはどちらだろう」など、比較して選びたいですね。

蛍光剤が含まれているかどうかで洗いあがりが変わる

洗濯洗剤の中には「蛍光剤」が含まれているものがあります。液体洗剤などはパッケージの裏側を見るとよく「蛍光剤」という記載があるはずです。この蛍光剤が含まれているかどうかで洗いあがりや色の印象が変わってくるため注意が必要になります。

洗濯洗剤は「白い洗濯物をよりキレイな白に見せてくれる」という効果があります。たとえば白いカーテンなどを洗濯した場合、蛍光剤によってキレイで清潔感のある白色に見えるのです。

しかし、蛍光剤の含有も良し悪し。パステルカラーなどの淡い色合いの場合は、かえってくすんで見えてしまうことがあります。洗いあがりに蛍光剤の影響で「このカーテン、こんな色合いだったかな?」と首を傾げることも。

カーテンに使う洗剤に蛍光剤が含まれているときは、カーテンの色も考えて使いたいですね。

カーテンを洗うときは中性洗剤がおすすめ

カーテンの洗濯に使う洗剤は「中性」を選ぶことをおすすめします。

すでにお話ししましたが、中性は洗濯物に対する負担の少ないタイプです。弱アルカリ性より基本的に洗浄力はおちますが、中性でも洗浄力自体が極端に弱いということはありません。カーテンを労わりながら洗濯できるのが中性になります。

なお、家庭用の弱アルカリ性の洗濯洗剤なども、基本的に使うことは可能です。カーテンを労わりながら洗える中性がおすすめではありますが、弱アルカリ性も使えますので、汚れ方次第によっては弱アルカリ性を検討してみることも重要です。洗濯機で洗濯する場合だけでなく、手洗いする場合も洗濯洗剤のチョイスは同じになります。

カーテンの汚れがあまりに酷い場合やオーダーメイドカーテンの場合、装飾のあるカーテンや生地に特殊な加工がなされているカーテンなどは、家庭で洗濯せず洗濯屋というプロにお任せした方が無難です。

洗濯洗剤の香りには注意が必要

洗濯洗剤の中には香料が極めて強いタイプがあります。洗濯洗剤の中でも香りの強いタイプは液体洗濯洗剤とジェルボールタイプに多いのが特徴です。ドラッグストアなどで洗剤の香りをお試しできる(香りの見本が商品のそばに置いてある)ことも多く、中には「このジェルボール、良い香り」と思って購入した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

見本で洗濯洗剤の香りをチェックしても「実際に使ってみると別物」なことがあります。よくあるのは、ドラッグストアの香り見本で気に入って買って洗濯に使ったら、香りが想像以上に強かったパターンです。強い香りが苦手な人はそれだけで体調を崩してしまいますよね。

カーテンの洗濯をするときも、香りは要注意。好みの香りであるだけでなく、香りの強さにも注意したいものです。

カーテンは大きな洗濯物なので、洗濯後にカーテンレールに下げると、想像以上に室内が洗濯洗剤の臭いになってしまうことがあります。ご飯を食べる部屋だと、カーテンに強い洗濯洗剤の臭いがついていると、食欲減退にも繋がるため注意が必要です。寝室などのリラックスルームのカーテンの場合、強い臭いで寛げないことも。

カーテンは大きな洗濯物なので、香りが強く出やすいという特徴があります。カーテンの洗濯洗剤選びのときは気にしたいポイントです。

カーテンの洗濯に粉末洗剤を使うときはワンポイント

粉末洗濯洗剤の中にも中性タイプがあり、家庭によっては「我が家の粉末洗剤は中性だから、衣類と同じようにこの洗剤で洗ってしまおう」と、カーテンを洗濯することがあります。これについては、特に問題ありません。ただ、ひとつだけ注意したいのは、粉末洗濯洗剤の特徴です。

粉末洗剤は水に溶けるまで時間がかかります。洗濯の水が冷たい冬場は、溶けるまで特に時間がかかるのです。溶けるのに時間がかかる結果、洗いあがったカーテンに粉末洗剤の塊がついていたり、時間差で溶けた粉末のせいですすぎが不十分になってしまったりするのです。

粉末洗剤をカーテンの洗濯に使うときは、ぬるま湯などで粉末を軽く溶かして洗濯機に投入する方法をおすすめします。「カーテンの飾りやドレープ部分に粉末洗剤が残ってしまうことがある」「冬場のカーテンの洗濯は洗剤が残りがち」という場合は、ぜひ試してみてください。

粉末洗剤を先にお湯で溶かしてから投入することによって、洗剤の効果がすぐに水へと広がりやすくなります。すすぎのときにしっかり洗剤を落としたい場合にも、先にぬるま湯で溶くことをおすすめします。

最後に

カーテンを洗うときは洗濯表示に気をつけることも重要ですが、カーテンの洗濯に使う洗剤にも気をつけたいものです。

洗濯洗剤には粉末や液体などのタイプがあり、洗剤タイプによって特徴も異なります。カーテンに合った洗剤を使って、カーテンを清潔に保ちたいですね。

当店で扱っているカーテンは、自宅で洗濯できるタイプが基本です。カーテンの扱いや使い方でわからないことがあれば、お気軽にご相談ください。