お客様からカーテン選びのときに、よく質問をいただきます。
「和室にカーテンはありですか?」
「和室に合わせられるカーテンはありますか?」
和室にカーテンはありか。もちろん「あり」です。和室には障子(しょうじ)や襖(ふすま)という印象があるかもしれません。ですが、カーテンを合わせて使っているお宅はかなり多いのです。
賃貸住宅などは畳の部屋になっていることも多いため、畳に合うカーテンを入居者が購入することも日常的によくあります。和室に合わせられるカーテンも、もちろんありますよ。
和室のカーテン選びについて、カーテン専門店の視点で解説します。
・和室にカーテンを取り付けるメリット
・和室に合うカーテンの選び方は?
和室に合わせるカーテンで悩んでいる人の疑問にお答えしますね。
和室にカーテンを取る付けるメリット
和室はやはり障子や襖という印象がないでしょうか。「カーテンだと雰囲気に合わない」とも考えてしまうかもしれませんね。また、カーテンは洋室向きの機能で、和室には機能面でもマッチしないという印象を持っている人が多いかもしれません。
実は、カーテンは非常に和室向きなのです。なぜ洋室やフローリング向きの印象があるカーテンが和室に向いているのか、カーテンを和室に使うメリットで確認してみましょう。
カーテンの遮光機能の高さによるメリット
カーテンの多くは遮光機能に優れています。中でも遮光カーテンは、光を遮ることに特化しているため、どの部屋に取り付けしても非常に高い遮光性を発揮するのです。
障子にも遮光機能はありますが、どちらかというと「光をまろやかにする」「強い光を柔らかに透過する」という機能になります。カーテンの「光を遮る」という機能とは異なります。
和室の多くには畳が使われています。畳は光によって変色してしまうため、和室にカーテンを取り付けて光を調節することには大きなメリットがあるのです。
カーテンのUVカット機能にもメリットあり
カーテンの多くにはUVカット機能が付いています。遮光カーテンなどの光を調節する機能に優れたカーテンにも、遮光の他にUVカット機能が強化されていることがあるのです。
カーテンのUVカット機能により、和室に入る紫外線の量をおさえることができます。
紫外線は畳や調度の傷みにも関係してくると言われる要注意的な存在です。和室にカーテンを取り付けることで、障子では防ぐことが難しい紫外線をカットできます。
畳や調度を長持ちさせるのに、カーテンが役立ちますよ。
カーテンで温度調整できるメリット
和室は冬寒く、夏場は涼しいという印象がありませんか。冬場に畳の上を歩くと足の裏がキンと冷たく、暖房を使ってもなかなか室内が温まりませんよね。
和室が寒い原因の1つが、畳や障子などの、洋室とは違う和室特有の調度や設備であると言われます。和室を温めるためには、和室の特徴に合わせた温め方をする必要があるのです。
カーテンには、温かさを中に閉じ込める機能を持ったものがあります。外の冷気を防ぎ、内部の熱を逃がさないようにしてくれるのです。このようなタイプのカーテンを冬場の和室に使えば暖房費の負担を削減でき、さらに温かな和室を実現できますよ。
なお、このタイプの機能を持ったカーテンは内部の温度や空気を閉じ込めることができるため、夏場に冷房の効きを良くするためにも活躍します。
和室に合うカーテンの選び方!5つのポイント
和室の雰囲気にしっくり合うカーテンを選ぶときは、色柄・生地・機能・統一感・バランスの5つのポイントで選ぶことをおすすめします。
和室に合うカーテン選びのポイント①色柄
和室によく合う色は、アースカラーや和の色のカーテンです。落ち着いたオレンジや白、緑(抹茶系)など、ビビットな色より落ち着いた色合いがおすすめになります。
柄は無地か植物、控えめな柄のものなどがおすすめ。シンプルなレースカーテンなどもOKです。
和室で障子を使っている場合は、障子用紙の柄などもチェックしてみてください。障子用紙には、松や梅などの柄が控えめに入っていますよね。カーテンを選ぶときも、柄の入り方や多さなどの参考になります。
カーテンの中には和柄や着物柄のものもあるので、和柄カーテンや着物柄カーテンなどを合わせるのもおすすめです。
和室に合うカーテン選びのポイント②生地
和室にカーテンを合わせる場合、生地の風合いも重要になります。
重厚なベルベットカーテンを和室に合わせた絵面を想像してみてください。カーテンと室内がちぐはぐだという印象を受けないでしょうか。生地選びを失敗してしまうと、和室の中でカーテンだけが目立ってしまう結果になるのです。
和室に合わせやすいカーテンの生地は、着物が参考になります。正絹のカーテンを選べと言っているわけではありません。着物には麻などの自然素材も使われます。
カーテンにも麻などはよく使われている生地です。麻のカーテンの中には抹茶色や臙脂色、紫色、桜色などの微かに透け感のあるカーテンもあり、和室とよくマッチします。暖簾のような柄や風合いのものなどもありますよ。
「和」や「和の文化」と重なる風合いや生地のカーテンを選ぶと、より和室と親和性が高くなるのです。
和室に合うカーテン選びのポイント③機能
和室に合わせる場合、カーテンの機能も重要視したいポイントです。カーテンにはUVカット機能や遮光機能など、カーテンによってさまざまな機能があります。遮光率などもカーテンによって異なるのです。
和室には日焼けしやすく変色しやすい畳があることが多いはずです。掛け軸などの調度品を飾っていることも多いことでしょう。遮光性の高いカーテンは畳や調度品を守りたい人におすすめです。
軽いレースや麻などの風合いのカーテンにも、遮光などの機能を備えたカーテンがあります。カーテンの色や柄、生地の風合いなどにも注目することが重要ですが、ワンポイントとして機能にも注目してみてください。
和室に合うカーテン選びのポイント④統一感
仏間や奥座敷などの和室で注目したポイントは、畳の縁です。畳の縁には色が使われていますね。この畳の縁の色と合わせて色を選ぶと内装との統一感が出ます。
室内の木目の色などと合わせてもいいでしょう。もちろん、掛け軸などの他の調度との色的な調和で選んでも問題ありません。
和室内の色を参考にして似た色柄を選ぶ。以上のようなポイントをおさえることで、室内の調和や統一感が生まれるのです。
和室に合うカーテン選びのポイント⑤バランス
和室にもさまざまなタイプがあります。仏間のようなタイプもありますし、アパートの一室のようなタイプの和室もありますね。
ダイニングなどと繋がっているタイプの和室も、近年ではよくあるタイプです。ダイニングキッチンの横に小さめの畳スペースがついているタイプの設計がこのタイプにあたります。
和室と洋室が壁などの仕切りがほとんどなく一体化している場合は、カーテンを「中間」の存在にするのがおすすめです。和室に寄り過ぎると洋室から浮いてしまいますし、洋室に合わせると和室との間に違和感ができてしまいます。
無地で控えめな色のカーテンの場合はどちらに寄ることもなく、和洋の中間的な役目を果たすことが可能です。また、和柄のレースカーテンなど、和洋の両方の要素を持っているカーテンなども、和洋の室内のバランスを崩すことがないのでおすすめになります。
最後に
和室にカーテンはマッチしないと思うかもしれません。遮光性などのカーテンの機能は和室でも大いに役立ちます。
カーテンの中には和の色や和柄、素材など、和室にマッチするものも多く作られているので、合わせ方次第で和モダンやオシャレ感、落ち着いた雰囲気を出すことが可能です。
和室に合わせるカーテンは、5つのポイントで選びましょう。
「自宅の和室に合うカーテンが分からない」「似たような風合いの別色や別機能のカーテンを探している」などの場合は、お気軽にカーテンの専門店にご相談ください。