カーテン・ラグ・マット・ソファーの語源は?インテリアの豆知識

カーテン

カーテンやソファーなどのインテリアを見ていると「どうしてこのような名前が付いたのだろう」と思うことはありませんか。身の回りの物の名前の由来を知っても使い方が変わるわけではありませんが、何となく気になってしまうことがありますよね。

今回の記事では身の回りのインテリアの「名前の由来・語源」をご紹介します。身の回りの物の意外な素顔が見えるかもしれません。

カーテンの名前の由来・語源

カーテンの名前の由来はラテン語だったと言われています。ラテン語で「覆う」という意味を持つ「Cortina」が転じて現代の「カーテン」という名前になったのだとか。「Cortina」という言葉には他にも「器」や「人の和」という意味があるのだそうです。

カーテンは家族が集まるダイニングや居間などによく使われますよね。そう考えると、語源に「人の和」があるのは面白いのではないでしょうか。ダイニングや居間は家族が集まる場所、つまり家族の和の場所ですね。

カーテンが最初に登場したのは古代。それこそ現代に残っているピラミッドやスフィンクスの像などができた古代エジプトのあたりだったと言われています。

当時は現代風のガラス窓などはありませんから、今のようなカーテンの使い方はしていません。当時は入り口やベッドのところに目隠し布として下げておくような使い方をしていたそうです。古代ローマにはカーテンが登場していたと言われているので、目隠しや風を遮る布として使われる間に今日のような使い方に変わっていったのかもしれないですね。

ソファー(ソファ)の名前の由来・語源

次にお話しするのはソファーの名前の由来・語源です。ソファーと言えば「英語?」と思うかもしれませんが、実際は違います。ソファーの語源はアラビア語です。

オスマン・トルコの身分の高い人たちはベンチに座るときにクッションを使っていました。

ベンチとはクッションがついていないタイプの長椅子です。ソファーの場合は座ってもお尻が痛くないように、最初からクッション部分が縫い付けてありますよね。ベンチの場合はクッションの縫い付けがありません。

当時の椅子は、こういったベンチタイプが主流でした。しかし、これでは座っているうちにお尻が痛くなってしまいます。そこでクッションをたくさん持っていたお金持ちや高官などは、ベンチに座るときにクッションを自由に置いて、座りやすいようにしていたわけです。これがソファーの原型だと言われています。

クッションなど柔らかな物を乗せて使うベンチはアラビア語で「ṣuffa」と言いました。このアラビア語が今日の

ソファーの語源になったと言われています。

ベンチにクッションを乗せて使っているうちに、やがて「クッションを縫い付けて使えばいいのではないか」と人々は思いつきました。ベンチにクッションを縫い付けたタイプの長椅子を完成させました。

ラグ・絨毯・カーペットの名前の由来・語源

ラグ・絨毯・カーペットは違う物のように思われますが、歴史の中では混同されがちです。ラグは比較的サイズが小さく部屋の一部に敷くものを指し、カーペットは部屋全体に敷くものを指します。絨毯は部屋全体に敷く大きなサイズのものと、部屋の一部に敷くタイプがあります。

よく「カーペットの方が安い」「絨毯は高級品」などと言いますが、厳密な違いはありません。日本人には、「手織りの高級品で部屋に敷くものは絨毯」「カーペットは部屋全体に敷く。玄関や台所、洗面所などには敷かない」「ラグは部屋の一部に敷く。いろいろなタイプがあり、比較的どこにでも敷ける」という印象があるかもしれません。国によって絨毯やカーペットへの印象は違っています。

カーペットや絨毯、ラグのような敷物は古代から使われていました。カーペットや絨毯、ラグという名前のない頃から、草を編んだ敷物や、獣の皮を使った敷物などがあったそうです。こうした敷物が時代と共に素材や技術を発展させて現在のようなカーペット・ラグ・絨毯になりました。

カーペットの語源はラテン語の「carpere」だと言われています。「carpere(カルペル)」が転じて現代の「カーペット」になったのだとか。「carpere」とは「毛をむしる」という意味だそうです。カーペットの場合むしろ毛がはえているので、意外な意味や語源ですね。

絨毯は西に住んでいた部族が言葉の発祥だと言われています。絨毯とは「炎のように毛羽立つ」という意味です。絨毯はどちらかというと毛足の長い敷物を想像しがちなのは、語源が関係しているのかもしれないですね。いろいろな地域・国で使われていた言葉が現代の敷物を表すいろいろな言葉になったというわけです。

カーテンタッセルの由来・語源

せっかくなのでカーテンタッセルの由来や語源についてもお話ししましょう。カーテンの語源はすでにお話しした通りですが、一緒に使われている「タッセル」はどうなのでしょう。

タッセルは飾り紐や飾り房のことです。語源はラテン語の「Tasseau」。意味は「鉤」です。タッセルと言えばふっさりとしたトウモロコシの房のようなものを想像する人も少なくないため、語源の意味である「鉤」は意外ではないでしょうか。

鉤は「ひっかける」という意味があり、服のホックなども広義的には鉤です。服を留めるときの装飾品などにもこの言葉が使われています。

カーテンタッセルがカーテン留めや、カーテンを引っかけるための装飾品を意味するのであれば、納得の語源や由来ではないでしょうか。面白いものです。

最後に

カーテンやラグ、絨毯、カーテンタッセルなどの由来や語源についてお話ししました。

普段何気なく開け閉めをしているカーテンや、寝転がっているラグなど、何気なく使っている物にも歴史や物語があって面白いですよね。名前の由来や意味、どの時代から使われていたかなどを知れば、身近なインテリアにより一層親しみを覚えるかもしれません。

ふっとラグに触れたとき「古代からあったのか」と感じ、カーテンタッセルを使うときに「語源は鉤だったのか」と思う。これも一種のロマンですよね。

こうした豆知識からインテリアに親しみを持っていただけたら、専門店として嬉しい限りです。