カーテンの名前の由来を知っていますか?原型や素材の歴史

カーテン

いつもはカーテンの選び方や洗い方など実際にカーテンを利用する人向けの情報を発信しているのですが、今回は趣向を変えて豆知識をご紹介したいと思います。

皆さん、カーテンはなぜ「カーテン」という名前だかご存じですか?

カーテンの名前の由来はどこから来たのでしょう。カーテンを使うとき、洗うとき、カーテンを見ながらふっと思い出せる面白知識をカーテン専門店のスタッフが解説します。

カーテンの名前の由来はラテン語の「覆う」

カーテンの名前の由来はラテン語の「覆う」からきています。ラテン語で「覆う」は「コルティナ」。コルティナが転じて現在の「カーテン」になりました。

ここで不思議なのは、なぜカーテンの名前の由来が「覆う」なのかです。現在のカーテンを想像してみると、窓辺で閉めることはありますが、特に覆うようなことはありません。けれど、名前の由来は覆うですから、首を傾げてしまいますよね。

実はカーテン、古来はもともと覆うものでした。

プライバシー保護や寒さ対策のために、寝台周りなどを布で覆っていたそうです。現在もベッド周りを覆う天蓋付きベッドがありますよね。この天蓋付きベッドもコルティナ=古代のカーテンから派生したのだとか。寝台周りを覆っていた布が転じて窓辺などに使われるようになり、現在のカーテンになりました。

カーテンとコルティナ。言葉の発音こそ違いますが、当時のカーテンの使い方や言葉がカーテンの中に生きていると考えると、とても面白いですよね。

カーテンは古代エジプトですでに使われていた

カーテンが歴史に登場したのは、歴史の教科書くらいでしか知らない古代文明の頃です。エジプト文明やインダス文明、メソポタミア文明、エジプト文明などは四大文明(四大河文明)として知られており、日本の教科書にも載っています。

この中でもエジプト文明では、まさにコルティナ(覆う)という感じで布が使われていました。古代のエジプトでも寝台周りなどを布で仕切り、プライバシー対策や外気対策をしていたそうです。

古代もいろいろな地域でやり取りがあったでしょうから、こうした布の古い使い方がやがてコルティナになり、現在の窓辺を彩るカーテンに転化したのでしょう。

古代エジプトといえば、それこそピラミッドやスフィンクスの時代です。当時のコルティナ自体は残っていませんが、現代の生活とは遠い印象のある古代に馴染みのある日常が垣間見えるようで、これまた面白いと思ってしまいますね。

カーテンは現在もプライバシー対策や外気対策、寒さ対策として使われます。「人の視線が気になる」「寒さをどうにかしたい」などの感覚は、古代に生きた人と現代を生きる人で変わらないのかもしれません。

カーテンが実際に使われていた最古の記録はローマ

カーテンが実際に使われていた記録はローマの絵画で見ることができます。

ローマ時代の絵画には、女性や子供、天使などと一緒に、極めて現代に近いかたちのカーテンが描かれています。当時のカーテンそのものは残っていませんが、絵画を通して「ローマ時代にもカーテンがあったこと」や「当時のカーテンの形」「当時のカーテンの色柄」などを知ることができるわけです。

ローマ時代のカーテンは絵画を見ると現代のものに形は似ているのですが、使い方は違います。ローマのカーテンは窓辺につけて開け閉めするのではなく、主な用途は間を仕切ることです。

病院の入院病棟などでは、カーテンでベッドとベッドの間を仕切っていますよね。新型コロナら流行し、家の中やお店の中での間仕切りも話題になりました。新型コロナにより在宅ワークが増えたため、自宅内で仕事空間を確保するための間仕切りなどもよく使われるようになりました。

当店でもご要望が増えたため、間仕切りカーテンを扱っています。

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古代ローマのカーテンの使い方は、まさにこの間仕切りだったそうです。布を下げて空間を仕切り、空間を分ける。そして、ときに壁の装飾などにもカーテンを使っていたそうです。

ガラス窓が登場するとカーテンは窓辺のアイテムになった

やがて14、15世紀頃になると、少しずつ窓ガラスというものが使われるようになりました。窓ガラスが使われはじめると、現在と同じようなお悩みが出てくるようになりました。すなわち「陽光が眩しい」「窓辺の空気が気になる」などです。

窓ガラスが登場する頃になると、カーテンも現在のように窓辺のアイテムとして重宝されるようになりました。ガラス窓を通り抜ける日差しをカーテンで遮ったり、窓辺の空気を遮ったりするようになったのです。

窓ガラスも現代ほど完成されていませんし、カーテンも現在のような機能性のあふれたものではありません。しかし、今から何百年も前に、当時の人たちは同じようにカーテンを窓辺アイテムとして生活に活かしていたと想像すると、親近感が湧いてしまいますね。

やがてカーテンは窓辺の調度(飾り)として進化する

17世紀や18世紀になると、西欧の豪奢な文化の中でカーテンは調度品、窓辺を飾るアイテムとしての重要性を高めていったといわれます。

この頃はちょうど貴族の華やかな文化ですよね。豪華な舞踏会やドレス、貴金属。貴族が華やかにしている中、屋敷の飾りが地味だといまいち映えません。だからこそ屋敷の調度や窓辺の飾りであるカーテンに力を入れたわけです。今で言うところの「〇〇映え」というものかもしれませんね。

カーテン素材の歴史も古い

カーテン素材の中にはかなり歴史の古いものもあります。リネンなどは現在もカーテンの素材として使われていますが、古代からあった素材です。その歴史は紀元前8000年に遡るとか。

カーテンを覆うものとして使っていた古代エジプトでは、リネンのことを独特の光沢から「月光で織った生地」として珍重し、神事などにも使っていたそうです。

最後に

カーテンの名前の由来や素材の原型、素材の歴史などに触れました。

日常に寄り添うアイテムであるカーテンは、現代の日常だけでなく古代の日常にも寄り添っていたようです。時代を通して生活の中にあったカーテン。興味深いですね。

なお、カーテンの歴史は詳細に伝わっていないため、今回ご紹介したものはあくまで歴史の説のひとつになります。この機会に、カーテンにさらなる興味を持っていただけると嬉しいです。